現金一括で住宅購入するときの支払い方法|住宅ローン減税とどっちが得か&デメリットも解説

現金一括で住宅購入するときの支払い方法|住宅ローン減税とどっちが得か&デメリットも解説

※本コラムは、広く一般的な情報提供を目的としており、弊社のサービスに限らず、多くの方にとって役立つ内容を意識して執筆しています。
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住宅を購入する際は、「現金一括払い」という選択肢を検討されている方も多いのではないでしょうか。

一方で、「現金一括の場合はどのように支払うのか」「現金一括払いは本当に得なのか」といった疑問や不安をお持ちの方も少なくありません。

今回は、茨城県全域で多くのご家族の家づくりをサポートしてきた『ノーブルホーム粋(SUI)』が、現金一括で住宅を購入する際の支払い方法やスケジュール、住宅ローンとの税制比較まで詳しく解説します。

ご自身の価値観とライフプランに合った選択のヒントとして、ぜひ最後までごらんください。

現金一括で住宅を購入する場合の支払い方法

現金一括といっても、実際の支払いは銀行振込が基本です。

多額の現金を持参することは、セキュリティリスクや取引先の受け入れ体制の都合から、現在ではほとんど行われていません

ここからは、現金一括の場合の支払い方法を、建売住宅・分譲マンション、注文住宅に分けて紹介します。

<建売住宅・分譲マンションの支払いの流れ>

  1. 物件を申し込み、「申込金」を支払う
  2. 売買契約時に「契約金(手付金)」を支払う
  3. 引き渡しの際に「残金」を支払う

建売住宅・分譲マンションの場合、上記のように2〜3回に分けて支払うケースが多いです。

<注文住宅の支払いの流れ>

  1. 土地の取得に応じて、「申込金」「契約金(手付金)」「土地代金」などを支払う
  2. 建築会社と建物の契約を結び、「建物契約時の手付金」を支払う
  3. 工事の進行にあわせて、「着工金」「中間金」などを段階的に支払う
  4. 建物の完成時に「残金(最終金)」を支払う

注文住宅は費用を複数回に分けて支払うのが一般的で、全体で5回以上に分割されるケースもあります

実際の支出は段階的に発生することから、事前に支払いスケジュールを確認しておくことが大切です。

事前に銀行の窓口で振込上限の確認・手続きが必要な場合もあるため、余裕を持った段取りが求められます。

現金一括で住宅を購入するメリット・デメリット

現金一括での購入は、住宅ローンに比べてシンプルで明確な取引方法ですが、その一方で慎重な判断も必要です。

以下では、主なメリットとデメリットを整理してご紹介します。

メリット

現金一括で住宅を購入するメリットは、主に以下のとおりです。

  • 住宅ローンの審査が不要
  • 支払い総額が安くなる
  • 精神的な安心感が得られる
  • 購入後すぐに売却・転用しやすい

これらの利点は、「スピード」「コスト削減」「精神的余裕」の3点に集約されます。

ローン審査が不要なため手続きも簡潔で、金利や諸費用が発生しない分、支払い総額も抑えられます。

さらに、所有権がクリアなため、売却や賃貸などの柔軟な活用も可能です。

資金的な余裕がある方にとって、現金一括購入は極めて合理的な選択肢になります。

デメリット

現金一括で住宅を購入するデメリットは、主に以下のとおりです。

  • まとまった資金が必要になる
  • 税制上の優遇措置が少ない
  • 税務署からの資金調査を受けやすい
  • 資産の分散投資ができない

一括購入は、大きな資金を動かすことにより流動性が低下し、突発的な支出や投資機会への対応が難しくなります

住宅ローン減税は適用されないため、節税面での恩恵は限定的です。

さらに、高額取引となることで、資金の出所について税務署から確認を受ける場合もあります。

「現金一括」or「住宅ローン」どっちが得かの判断ポイント

ここからは、「現金一括」と「住宅ローン」のどちらが得かを判断するポイントについて解説します。

住宅購入においてどちらを選択すべきかは、個人の資産状況や将来設計によって異なります

ポイントを理解し、自身の状況に照らし合わせて検討しましょう。

単純な損得だけでなく、総合的な視点から判断することが重要です。

減税額とその条件

まず比較するのは、減税の対象となる金額とその条件についてです。

住宅ローン減税を活用すると、最大数百万円の控除も可能です。

一方、現金一括の場合でも、条件を満たせば「認定住宅等特別控除(投資型減税)」により最大65万円の控除が受けられます。

以下に、住宅ローン減税と認定住宅等特別控除(投資型減税)の内容を比較してまとめました。

住宅ローン減税認定住宅等特別控除(投資型減税)
対象者住宅ローンを10年以上利用する人現金一括で認定住宅等を取得する人
控除額の上限年末残高の0.7%×最大13年間(数百万円)最大65万円(控除率10%)
控除対象所得税+住民税所得税のみ
控除期間最大13年1年のみ
適用条件の一例所得2,000万円以下、床面積50㎡以上
※詳細な条件があるため要確認
認定長期優良住宅や低炭素住宅など
※詳細な条件があるため要確認

住宅の性能や購入のタイミングによって、どちらが有利かは異なるため、制度をよく比較した上で判断しましょう。

住宅ローンの金利と諸費用

住宅ローンには、金利に加えて保証料や手数料、団体信用生命保険料などの付帯費用が発生し、総支払額に影響します。

変動金利型は低金利が魅力ですが、将来的な金利上昇リスクは否定できません。

一方、現金一括購入は金利負担がなく、支払い総額が明確なため、費用の見通しが立てやすいのがポイントです。

金利の水準と将来の収支の見通しを冷静に比較することで、どちらが有利かが見えてきます。

「コストの不確実性を抑えたい場合は一括」「手元資金を確保して柔軟に動きたい場合はローン」と考えるのも一つです。

マンションから戸建てに住み替える場合は、追加で諸費用がかかります。

費用・住み替えの流れなどは、こちらの記事で確認できます。

将来の収入やライフプランの安定性

住宅購入時の支払い方法の選択は、以下のような視点で総合的に判断することが重要です。

  • 緊急時に備えて流動資金をどれだけ確保できるか
  • 今後も安定した収入が継続する見通しがあるか
  • 教育や介護、老後などをふまえ、支出計画とバランスが取れるか
  • 投資など別の目的のために資金を残しておきたいか

収入が安定しており資金に余裕がある方は、住宅ローンを活用して資金を投資などに分散する選択肢もあります。

一方、起業や早期退職、教育資金など大きな支出を控える方にとっては、毎月の返済が重荷となる可能性も否めません。

現金一括は、金利負担がなく安心感がある反面、手元資金が減り流動性に乏しくなる点に注意が必要です。

経済合理性だけでなく、ライフスタイルや価値観も加味したうえで判断しましょう。

50代の方で一括払い・住宅ローンのどちらにしようか迷っている場合は、こちらの記事もぜひご確認ください。

〈関連ページ〉50代で家を買うなら一括払い・住宅ローンどっちが得か|住宅ローン減税、メリット・デメリットなど解説

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現金一括で住宅を購入する場合の確定申告

現金一括で住宅を購入する場合、確定申告が必要なケースもあります。

ここからは、現金一括での購入に関連する「所得税」「贈与税」「相続税」の確定申告について解説します。

所得税

現金一括で住宅を購入した場合、その行為自体は課税所得に該当しないため、通常は所得税の申告対象にはなりません

給与や事業収入とは異なり、「住宅の購入そのもの」には課税が発生しないためです。

ただし、「認定住宅等特別控除(投資型減税)」を利用する場合は、確定申告が必要になります。

この控除を受けるには、必要書類を申告時に添付しなくてはいけません。

書類の準備には時間がかかることもあるため、早めに手続きを進めましょう。

必要に応じて、施工業者にあらかじめ依頼しておくことが大切です。

贈与税(購入資金が贈与の場合)

住宅購入資金の一部または全額を親族から贈与された場合、その金額が年間110万円を超えると、翌年に確定申告が必要です。

ただし、父母や祖父母などの直系尊属からの贈与で、一定の条件を満たす場合には、「住宅取得等資金の贈与に係る非課税措置」が適用されます。

適用されれば、省エネ住宅で最大1,000万円まで、省エネ住宅以外では最大500万円までが非課税になります。

非課税の可否や申告の必要性は、贈与の内容や贈与を受ける者の状況によって異なるため、制度の詳細を確認しておきましょう。

相続税(購入資金が相続の場合)

住宅の購入資金が相続による場合、相続が発生した年に相続税申告が必要です。

課税対象となるのは、住宅を買ったタイミングではなく、被相続人が亡くなった時点の財産です。

ただし、相続税の非課税枠(基礎控除)を超えた場合に限り、申告義務が発生します。

なお、「相続時精算課税制度」などを利用して生前贈与を受けた場合には、将来的に相続財産として合算されるため、贈与との区別を明確にしておきましょう。

現金一括で住宅を購入する人の傾向|年収や年齢層

現金一括で住宅を購入する人には、年収1,000万円以上の高所得層が多い傾向です。

加えて、計画的な貯蓄を行ってきた中堅所得層、相続や資産運用によって資金を確保した方も含まれます。

年齢層は40〜50代が中心ですが、相続を受けた30代や退職金を活用する60代以上の方の購入も少なくありません。

国土交通省の「令和5年住宅市場動向調査」によると、注文住宅購入者の平均年齢は42歳で、約29%が自己資金のみで購入しています。

データでは現金一括での購入かは明記されていないものの、一部が該当している可能性が高いです。

8,000万円の家を買える人の世帯年収については、こちらの記事で確認できます。

まとめ

今回は、現金一括で住宅を購入する場合の支払い方法や、「一括払いは得なのか」という点について解説してきました。

注文住宅では「着工金」や「中間金」など複数回の支払いが発生するため、資金計画とスケジュール管理が重要になります。

現金一括は、手続きのシンプルさと金利不要という安心感が魅力である一方で、住宅ローンは税制優遇や資金流動性の高さなどの利点もあります。

迷ったときは、「節税額」「支払いスケジュール」「手元資金の余力」のを基準に検討してみてください。

この記事を参考に、最適な方法を選択していただければ幸いです。

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