庭との調和

庭との調和

harmony with the garden

突然ですが、頭の中に日本の寺社・仏閣や茶室、料亭を思い浮かべてみてください。そのイメージの中には、必ず「庭」が建物とセットで思い浮かんでいるのではないでしょうか。
日本建築と庭との間には、切っても切れない関係性があるのです。これから、和の庭の特徴をいくつかご紹介します。

四季を感じる


日本には四季がありますので、日本の気候に合わせた和の雰囲気を持つ植物(梅や紅葉など)を植えることで、グッと魅力がアップします。落葉樹ならば、春は新緑、夏は青々と生い茂る葉、秋の紅葉、冬の枝葉の美しさと季節を堪能できるのでお勧めです。

景色を切り取る


古くから日本には「借景」という言葉があります。比叡山を背景に取り入れ、竹藪と枯山水の苔庭の構成から成る京都の圓通寺の庭園が有名です。これに倣い、手前に低いもの、奥に背の高い植物などバランスを考え、窓を額縁に見立てることで、絵画のような美しい景色をつくることができます。

中間領域


庭は、外界と建物の中とをつなぐ中間領域とも捉えられます。先程紹介した京都の圓通寺では、苔庭は人の手による人工的な庭、竹藪は半自然、比叡山を大自然としてグラデーションを描いているのです。このように中と外とが緩やかにつながっているあたりが、日本的なところなのでしょう。

五感に訴える


和の庭では、植栽の緑を愉しむだけでなく、五感に訴える技術が多くございます。花が咲く植栽を植えればその匂いを感じられます。獣を追い払う事が目的であった鹿威しの音は、和庭の代名詞と言えるでしょう。もっとも住宅街では音が大きすぎるので、手水鉢を設けてそこに僅かな水を落とすくらいが良いでしょう。

静謐さ


和庭の代名詞である枯山水の庭園のほとんどには、石が用いられています。頑丈で強いイメージの石が鎮座することで、周囲の空気を静止させるような効果を生み、このことが和庭に静けさを感じる要因となります。また、西洋の庭園が草花の色彩を中心にデザインされているのに対し、枯山水や露地では色彩を意図的に抑えていることも、侘び寂びを感じられる理由です。

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