60歳で住宅ローン2000万円は組めるのか|返済シミュレーション・審査・リスクを解説

60歳で住宅ローン2000万円は組めるのか|返済シミュレーション・審査・リスクを解説

※本コラムは、広く一般的な情報提供を目的としており、弊社のサービスに限らず、多くの方にとって役立つ内容を意識して執筆しています。
詳細なご相談や専門的なアドバイスが必要な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

60歳を迎えてマイホームの住み替えや建て替えを検討している方の中には、60歳で2000万円の住宅ローンが借りられるのかどうか、不安に感じていらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、茨城県で60代以降の方の住宅を多く手がけてきた『ノーブルホーム粋(SUI)』が、「60歳で2000万円の住宅ローンは現実的か」「審査の条件や返済の目安」「老後を見据えた住み替え・借り換えの考え方」などをわかりやすく解説します。

将来も安心して暮らせる住まいを実現するために、ぜひ最後までごらんください

 60歳で2000万の住宅ローンは組めるのか|年齢・収入・健康状態から見る審査

 60歳で2000万の住宅ローンは組めるのか|年齢・収入・健康状態から見る審査

60歳でも2000万円の住宅ローンを組める可能性は十分にあります

ただし、若年層と同じようにはいかず、いくつかの条件を満たすことが求められます。

60歳で住宅ローンは何年組めるのか

60歳でも、最長で20〜25年の住宅ローンを組むことは可能です。

ただし、多くの金融機関では「完済時年齢」を75歳〜80歳程度に設定しているため、ローンの期間は自動的に短くなります

例えば、完済時年齢が80歳に設定されている銀行であれば、60歳で申し込むと最長で20年のローンしか組めません

一方で、フラット35のような長期固定金利ローンでは「完済年齢85歳」まで認められるケースもあり、最大25年の返済も可能になります。

返済期間が短くなると、月々の返済額が高くなる傾向にあるため、退職金の併用や繰り上げ返済も視野に入れると安心です。

無理なく返済を続けるためには、自分の年齢と生活設計に合った期間で計画を立てましょう。

住宅ローン審査で見られる3つの条件

60歳で住宅ローンを組む場合、主に「収入」「健康状態」「担保価値」の3点が審査のポイントです。

若い世代とは違い、将来の安定性や返済能力がより厳しく見られます

具体的には、以下のような点がチェックされます。

  • 収入:年金以外の給与や事業収入など、現役として得ている安定収入があるか
  • 健康状態:団体信用生命保険(団信)に加入できる健康状態か
  • 担保評価:購入する物件の価値がローン額に見合っているか

例えば、健康面で団信に入れない場合には、ローン契約自体が難しくなるケースもあります。

また、退職直前やすでに退職している方では、年金だけでは返済能力が不足と判断されることも少なくありません。

このように、60歳で住宅ローンを検討する際は、今後の収入見込みと健康状態をどう証明するかが重要です。

60歳の住宅ローン残高の平均と比較

2000万円という金額は、60歳の住宅ローン残高としては多めですが、無理のない計画があれば十分可能です。

2024年の金融広報中央委員会の調査では、60代の平均残高は約504万円とされており、多くの方が退職を迎える前後に住宅ローンを縮小、または完済していることがうかがえます。

しかし一方で、建て替えや住み替えを検討するケースでは、2000万円以上のローンを組む方も一定数存在するのも事実です。

特に都市部や二世帯住宅を希望する場合、平均以上の借入になることも珍しくありません

大切なのは、周囲のデータに左右されるのではなく、ライフプランに合った返済計画を立てることです。

60歳の2000万の住宅ローンは月々いくらか|返済額の目安と無理のない支払いシミュレーション

60歳の2000万の住宅ローンは月々いくらか|返済額の目安と無理のない支払いシミュレーション

ローンを組む際に最も気になるのは「月々の返済額がどれくらいになるか」ではないでしょうか。

ここからは、2000万円・1500万円・1000万円の場合を比較しながら返済額を試算していきます。

2000万円・1500万円・1000万円の返済額早見表

60歳で住宅ローンを組む場合、返済期間は最長でも20〜25年が一般的です。

返済期間20年、金利1.5%・2.0%のケースだと、元利均等返済の月々の返済額は以下のとおりです。

借入額返済期間金利1.5%金利2.0%
2000万円20年約9.6万円約10.1万円
1500万円20年約7.2万円約7.6万円
1000万円20年約4.8万円約5万円

※概算であり、実際の金額は金融機関や保証料等により変動します。

月10万円前後の返済が20年続くと考えると、年金生活に入る前の計画性が重要になります。

もし退職後の収入が年金のみになる場合は、早めの繰り上げ返済も視野に入れてみましょう

繰り上げ返済や退職金併用の考え方

60歳で住宅ローンを組むのなら、退職金や預貯金を活用した「繰り上げ返済」の戦略が効果的です。

これにより総返済額を抑え、老後の家計負担を軽くできます

例えば、2000万円の借入に対して、退職金の一部で500万円を繰り上げ返済すれば、元本が減ることで月々の返済額が下がるだけでなく、支払い期間を短縮することも可能です。

繰り上げ返済には、以下の2種類があります。

  • 期間短縮型:月々の返済額はそのままに、返済期間を短くする
  • 返済額軽減型:返済期間はそのままに、月々の負担を減らす

どちらを選ぶかは、今後の収入見込みや生活設計によって異なります。

一般的には、退職金の一部を充てて繰り上げ返済し、住宅ローンの残高を減らすケースが多い傾向です。

住宅ローンの返済方法の詳細は、こちらの記事をご確認ください。

〈関連ページ〉「住宅ローンは頭金or繰り上げ返済どっちが得か」は金利・資金状況で判断|頭金なしの住宅ローンも解説

茨城県で老後の安心な暮らしを検討中の方は、ノーブルホーム粋(SUI)へお問い合わせください。

ご年齢や資産状況に応じた最適な提案を通じて、無理のない住まいづくりをサポートいたします

60歳で2000万の住宅ローンを組むデメリット|老後破綻を避けるために知っておくこと

60歳で2000万の住宅ローンを組むデメリット|老後破綻を避けるために知っておくこと

60歳から住宅ローンを組むことは可能ですが、若い世代とは異なる注意点があります。

ここからは、老後に向けて注意しておくべきデメリットを解説します。

変動金利の場合は支払いの負担が増えることも

変動金利を選ぶ場合、金利の上昇によって月々の返済額が増えるリスクがあります。

60代以降に収入の減少が予想される場合は、金利変動による負担の増加は無視できません

例えば、金利1.0%のときは月約9.2万円の返済で済んでいたものが、2.0%に上昇すると約10.1万円に上がってしまうのです(2000万円/20年返済の場合)。

その差は毎月9千円以上になり、年間で10万円を超える負担の増加につながります

また、65歳以降に収入が年金のみになるケースでは、わずかな増額でも家計に響きやすくなります。

退職後の収入と支出のバランスを見ながら、無理のない金利タイプを選ぶことが大切です。

心配な方は、フラット35などの固定金利商品を検討してみましょう。

団体信用生命保険(団信)に加入できないケースがある

ご高齢になるほど、団体信用生命保険(団信)への加入が難しくなるケースが増えてきます。

団信は住宅ローンを組む際の保険のようなもので、加入していれば契約者に万が一のことがあっても残債がゼロになります。

しかし、60歳を超えると健康状態によって団信の審査に通らないことがあり、団信に入れなければローン自体が組めない金融機関も多いのが実情です。

対応策としては、以下のような方法が有効です。

  • 健康条件のゆるい「ワイド団信」への加入を検討する
  • 団信に代わる「収入保障保険」や「生命保険」でカバーする
  • 団信不要の金融商品(「リ・バース60」など)を選ぶ

万一への備えができていない状態で住宅ローンを組むのは、ご家族に負担を残す心配があります

団信への加入可否は早めに確認し、自分に合った金融商品や保険の組み合わせを考えておきましょう。

「リ・バース60」については、次の章で解説します。

50代や60代で住宅ローンを検討する方の中には、「そもそもローンを組むべきか、一括払いにするべきか」と迷う方も少なくありません。

50代で家を買う場合の支払い方法の詳細は、以下の記事をご確認ください。

〈関連ページ〉50代で家を買うなら一括払い・住宅ローンどっちが得か|住宅ローン減税、メリット・デメリットなど解説

リ・バース60の仕組みと注意点|誤解されがちなリスクとは

リ・バース60の仕組みと注意点|誤解されがちなリスクとは

60歳以降でも住宅ローンを利用できる制度として近年注目されているのが、「リ・バース60」です。

リ・バース60とは、60歳以上の方を対象に毎月の返済を利息のみに抑え、元金は亡くなった後に自宅を売却して一括返済する仕組みのローンです。

毎月の返済額を抑えられるのが魅力ですが、一方で「やばい」「危険」といった不安の声が聞かれることもあります。

誤解や思い込みにとらわれず、リ・バース60の仕組みと注意点を正しく理解しておきましょう

リ・バース60のリスクと誤解されやすいポイント

リ・バース60は仕組みを理解すれば有効な制度ですが、誤解されやすい点もあります。

最も多いのが「自宅を担保にする=契約者の死亡後は住めなくなる」という誤解です。

実際は、亡くなられた後の返済方法を相続人が選ぶことができ、残債を一括返済すれば、自宅を引き継いでそのまま住み続けることも可能です。

ただし、金利は固定型ローンよりもやや高めに設定されることが多く、長期的に見ると返済総額が増える傾向にあります。

また、団信が任意加入であることや、相続時にローンが残ることで、ご家族の間でトラブルに発展するケースも見受けられます。

リ・バース60を利用する際は、仕組みのメリットだけでなく、将来起こり得るリスクも事前に把握しておきましょう

リ・バース60とフラット35の違い

リ・バース60とフラット35は、60歳以上でもローンを組めるという点では共通しています。

しかし、返済方法や対象年齢などに明確な違いがあります

それぞれの特徴は以下のとおりです。

項目リ・バース60フラット35
対象年齢60歳以上完済時の年齢80歳以下が一般的
返済方法毎月:利息のみ/元金は死亡後に一括返済毎月:元金+利息を返済
金利タイプ固定または変動固定金利
団体信用生命保険(団信)任意加入原則加入
担保自宅を担保に設定(相続時に売却して清算)自宅を担保に設定(通常の住宅ローンと同様)
相続時の扱い売却して返済、またはご家族が残債を一括返済相続の影響は特になし

「老後資金を確保しながらマイホームを持ちたい」方にはリ・バース60、「定年後も安定収入があり、計画的に返済したい」方にはフラット35が向いている傾向にあります

ただし、年齢や健康状態、相続への考え方によって大きく変わるため、将来像を含めた総合的な判断が欠かせません

資金に余裕のある方は、住宅ローンに限らず、現金一括での購入も視野に入ります。

現金一括での支払い方法の詳細は、こちらの記事をご確認ください。

〈関連ページ〉現金一括で住宅購入するときの支払い方法|住宅ローン減税とどっちが得か&デメリットも解説

60歳で住宅ローンに迷ったら|借り換え・住み替えで叶える安心の住まい計画

60歳を迎えると、今の家に住み続けるべきか、それとも新たな住まいに移るべきかなど、住まいへの悩みも複雑になってきます。

将来を見据えて、借り換えや住み替えといった柔軟な選択肢を検討してみましょう

住宅ローンの借り換えで月々の支払いを抑える

住宅ローンの「借り換え」は、現在の住宅ローンの条件を見直して、返済負担を軽くする有効な手段です。

固定金利への変更や返済期間の短縮により、月々の返済額を減らすことが可能です。

例えば、金利が1.5%から1.0%に下がるだけでも月額約4千円、総額では約100万円返済の負担を軽減できます(2000万円/20年返済の場合)。

また、完済時年齢の延長ができれば、老後の支出を平準化できるメリットもあります。

ただし、借り換えには手数料や諸費用も発生するため、事前に専門家や金融機関に相談しましょう

ノーブルホーム粋(SUI)が提案する住み替えプラン

ノーブルホーム粋(SUI)では、老後の安心と快適さを両立する住み替えプランを幅広く提案しています。

例えば平屋住宅は将来の介護にも備えやすい選択肢として人気ですが、2階建てでも設計工夫により、安心して住み続けられる家が実現できます。

高断熱・バリアフリーといった柔軟な設計はもちろん、人生の後半を見据えた“ちょうどいい住まい”をかたちにできることが、ノーブルホーム粋(SUI)の強みです。

茨城県で、60歳を迎えた後の住み替えや建て替えをご検討中の方は、ノーブルホーム粋(SUI)にお問い合わせください。

ご年齢や家族構成、ライフプランに合わせて、住宅ローンの返済計画まで含めたトータルサポートをご提供いたします

まとめ

今回は、60歳で2000万円の住宅ローンを組む際の審査条件や返済シミュレーション、リスクへの備え方、住み替えの選択肢などについて詳しく紹介しました。

資金計画や間取りの工夫次第で、60歳からでも無理のないマイホームの実現は可能です。

本記事が、安心できる住まいづくりの第一歩となれば幸いです。