【事例付き】日本家屋の縁側とは|縁側のある家のメリットと現代的な取り入れ方
※本コラムは、広く一般的な情報提供を目的としており、弊社のサービスに限らず、多くの方にとって役立つ内容を意識して執筆しています。
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日本家屋の縁側に魅力を感じるものの、「今の暮らしに本当に必要なのか」「使いこなせるか不安」と迷う方も多いのではないでしょうか。
近年は、和モダンな住まいへの関心の高まりから、現代住宅に縁側を取り入れたいと考える方も少なくありません。
一方で、間取りや採光とのバランスを誤ると、「あまり使わなかった」「思ったほど居心地がよくない」と感じてしまうこともあります。
そこで今回は、茨城県で伝統的な「和」の住宅を建築している『ノーブルホーム粋(SUI)』が、日本家屋における縁側の魅力や役割、後悔しやすいポイント、現代の住まいでの活かし方について解説します。
「自分たちにとって心地よい縁側のある暮らし」のヒントがつまった内容ですので、ぜひ最後までごらんください。
目次
日本家屋の縁側とは|廊下のような空間の役割と意味

縁側と聞いて、なんとなくイメージはできても「具体的にどこを指すのか」「廊下とは何が違うのか」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
日本家屋における縁側は、単なる通路ではなく、独特の空間思想が込められた場所でした。
日本家屋における縁側の位置と名称
縁側とは、日本家屋において和室(座敷)と庭の間に設けられた、板張りの細長い空間を指します。
【縁側の主な特徴】
- 建物の外周に沿って配置される
- 幅は60〜90cm程度の帯状の空間
- 室内の床と同程度の高さ、または一段低くつくられることが多い
- 段差がある場合は腰かけて庭を眺められる
- 外から出入りする際の踏み台としても機能する
「縁側」という名称は、建物の「縁(ふち・へり)」に設けられた「側(がわ)」という意味から来ており、文字通り建物の端部に位置する空間を表しているのです。
一見すると廊下のように見えますが、縁側は外部に面して開放的につくられる点が、壁に囲まれた廊下とは大きく異なります。
縁側は部屋でも廊下でもない「中間領域」
縁側が廊下と決定的に異なるのは、「内でも外でもない曖昧な空間」という性格を持つ点です。
このような空間のことを建築用語では「中間領域」と呼びます。
室内の延長でありながら、庭の一部でもあるという曖昧な位置づけこそが、日本家屋ならではの縁側の魅力です。
日本建築では古くから、内と外を明確に区切るのではなく、段階的につないでいく空間構成が重視されてきました。
縁側はその代表例であり、住む人と自然、室内と庭をゆるやかに接続する緩衝的な空間としての役割を担っています。
この独特の空間性が、縁側を単なる通路以上の価値ある居場所へと高めているのです。
縁側と濡れ縁との違い
縁側とよく似た空間に「濡れ縁(ぬれえん)」があります。
簡単に言うと、縁側は「室内と外をつなぐ空間」、濡れ縁は「屋外に設けられた縁側の一種」です。
濡れ縁は雨に濡れる位置にあるため、「濡れ縁」と呼ばれます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
| 項目 | 縁側の特徴 | 濡れ縁の特徴 |
|---|---|---|
| 位置 | 和室と庭の間に設けられる中間領域 | 屋外側に設けられる板張りのスペース |
| 用途 | ・室内の延長としてくつろぐ ・来客と腰掛けて話す ・日向ぼっこや読書を楽しむ | ・庭への出入り動線 ・洗濯や庭仕事など屋外作業 |
| 役割 | 室内と庭をつなぐ緩衝的な空間 | 屋外生活を支える実用的な空間 |
濡れ縁は雨には濡れますが、その分庭との距離が近く、庭づくりや屋外作業の際に便利な空間として活用されてきました。
日本家屋では、こうした暮らし方に合わせて空間が使い分けられてきたのです。
縁側の種類についての詳細は、こちらの記事をご確認ください。
〈関連ページ〉縁側の室内(くれ縁など)屋外(濡縁など)の種類|廊下との違い、メリットデメリット、おしゃれな事例
昔の家に縁側があった理由|日本家屋と縁側の歴史

昔の日本家屋をイメージすると、必ずと言っていいほど縁側がある光景が目に浮かびます。
縁側が日本の住まいに欠かせない存在だった背景には、気候風土と暮らしの知恵が深く関わっています。
高温多湿な日本の気候に適していた
エアコンのない時代、「高温多湿である夏をいかに涼しく快適に過ごすか」が住宅設計の重要なテーマでした。
そのため、当時の住まいには以下のような役割が求められていました。
- 風通しの確保
- 日射のコントロール
- 夕涼みや昼寝など涼を取る場所
- 軒下空間としての雨よけ機能
国土交通省の住宅政策でも、縁側は日本の伝統的住文化の一つとして紹介されており、住まいが気候風土に合わせてつくられてきた歴史的背景を理解するうえで重要とされています。
特に、縁側と深い軒の組み合わせは、夏の高い太陽を遮りながら冬の低い太陽光は室内に取り込むという、自然エネルギーを活用した合理的な設計だったのです。
〈参考〉国土交通省『和の住まいの推進』
暮らしの中心としての役割を担っていた
縁側は気候対策だけでなく、以下のように人々の暮らしや人間関係を支える重要な場所でもありました。
- 洗濯物を干したり、取り込んだりする家事の場
- 子どもが遊び、ご高齢の方が日向ぼっこをするくつろぎの場
- ご近所の人が気軽に立ち寄って会話を楽しむ交流の場
- 夏の夕涼みや、季節の移ろいを感じる特等席
特に注目すべきは、縁側が「開かれた空間」だった点です。
現代のようにプライバシーを重視する時代ではなかったからこそ、縁側は単なる建築要素ではなく、暮らしと地域社会を自然につなぐ「架け橋」のような存在だったといえます。
日本の伝統的な住まいについての詳細は、こちらの記事をご確認ください。
〈関連ページ〉日本の伝統的な住まいの特徴|日本各地の工夫と現代への活かし方を解説
日本家屋の縁側の魅力|現代の暮らしにも通じる価値

縁側の魅力は、昔の暮らしの中だけに留まりません。
便利さや効率が重視される現代だからこそ、縁側がもたらす豊かさが改めて見直されています。
内と外がつながる心地よさがある
縁側があることで、室内と庭との境界が曖昧になり、開放感のある暮らしが生まれます。
- 窓を開けると庭と一体になる感覚
- 室内にいながら外の空気や光を感じられる
- 住まいに「余白」が生まれる
閉じた空間になりがちな現代住宅に、自然とのつながりを取り戻してくれる存在です。
暮らしの中で四季の豊かさを感じられる
縁側は、季節の変化を身近に感じられる特等席でもあります。
- 春:新緑や花を眺める
- 夏:風に当たりながら夕涼みをする
- 秋:色づく紅葉を楽しむ
- 冬:日差しの暖かさを感じる
自然の移ろいが、日常の風景として暮らしに溶け込みます。
室内が広く見える効果がある
縁側があることで視線が庭へ抜け、住まい全体にも奥行きが生まれます。
- 実際の床面積以上に広く感じる
- 圧迫感のない空間づくりができる
- 開放感のある間取りになる
このように、縁側のある家は、今の暮らしにも自然に溶け込む価値を持った住まいのかたちです。
単なる「懐かしい空間」ではなく、これからの住まいづくりにも活かせる、日本の知恵だと言えます。
日本家屋のように縁側を現代住宅に取り入れるデメリット

縁側のある家を快適にするには、現代の住環境に合わせた工夫が欠かせません。
昔のつくりをそのまま再現してしまうと、暮らしに合わず後悔につながることがあるからです。
縁側のある家で課題となりやすいポイントには、以下のような点があります。
| 現代に縁側を設けるデメリット |
|---|
| ・冬に寒くなりやすい ・外からの視線が気になりやすい ・防犯面に不安を感じやすい ・居室や収納のスペースが圧迫されやすい |
こうしたデメリットを防ぐには、以下のような現代住宅ならではの設計が重要です。
| デメリットの改善例 |
|---|
| ・断熱性の高い窓や建具を採用する ・塀や植栽で視線を遮る ・防犯ガラスやシャッターなどを組み合わせる など |
縁側はただ再現するのではなく、今の暮らしに合うかたちで取り入れることが、後悔しない家づくりのポイントになります。
茨城県で「伝統的な日本家屋の美意識を大切にしながら、現代の快適性も両立させたい」という想いをお持ちの方は、「和」の建築に精通したノーブルホーム粋(SUI)にお問い合わせください。
理想の縁側のある暮らしを、設計段階から丁寧にご提案いたします。
縁側を含む、日本家屋全体を現代住宅として取り入れる際のポイントや費用感の詳細は、こちらの記事をご確認ください。
〈関連ページ〉日本家屋を新築するメリットデメリット費用間取り実例|特徴やハウスメーカーの選び方も紹介
【施工事例】おしゃれな日本家屋の縁側|現代住宅での取り入れ方

日本家屋の縁側は、現代住宅でも設計次第でおしゃれに取り入れることができます。
ここからは、ノーブルホーム粋(SUI)が手がけた、暮らしやすさとデザイン性を両立した縁側の施工事例を紹介します。
中庭と一体になるデザインの縁側
こちらは、中庭を囲む、室内と庭が一体となる開放的な縁側です。
大開口のサッシを開け放つことで、縁側がリビングから続き、四季の移ろいを身近に感じられます。

〈関連ページ〉粋-suiつくば展示場
深い軒が美しい伝統意匠の縁側
こちらは、深い軒と木の柱に支えられた縁側で、日本家屋らしい風情を現代的に再現しています。
日差しや雨をやわらかく受け止め、四季を楽しめる空間です。

〈関連ページ〉数寄屋門のある平屋
中庭を楽しむ贅沢な回廊型の縁側
中庭を囲むように配置された縁側で、複数の居室から庭にアクセスできる回遊性のある設計です。
夜は照明に照らされた植栽が美しく映え、情緒ある空間を演出しています。

〈関連ページ〉住宅街の中でも静寂を感じられる邸宅
リビングとフラットにつながる縁側
こちらは、リビングと段差なくつながる、室内と屋外の一体感を楽しめる縁側です。
日向ぼっこや読書など、日常のくつろぎの時間を豊かにしてくれます。

〈関連ページ〉大きな窓と障子が特徴的な和モダンの家
コの字型住宅のプライベートな縁側
コの字型の建物に囲まれた縁側は、外からの視線を遮りながら安心してくつろげる空間です。
住宅のデザインは和モダンテイストでまとめつつ、中庭には水を使わずに山や川を表現する「枯山水」を取り入れ、日本建築らしい静けさと趣を演出しています。

〈関連ページ〉趣味を楽しむコの字の和モダン住宅
深い軒のウッドデッキ型の縁側
こちらは、深い軒の屋根に守られたウッドデッキ型の縁側です。
住宅のデザイン自体は伝統的な日本家屋ではありませんが、「内と外をゆるやかにつなぐ縁側の考え方」を現代的に取り入れた事例です。

〈関連ページ〉“木の魔法”に包まれた平屋
ノーブルホーム粋(SUI)には、今回紹介しきれなかった事例がまだたくさんあります。ぜひごらんください。
日本家屋の縁側を現代住宅で叶えるなら、「和」の建築が得意なハウスメーカーへ

日本家屋の縁側を現代の住まいに取り入れるには、伝統の美意識と最新の住宅性能を両立できる設計力が欠かせません。
ノーブルホーム粋(SUI)は、日本建築の思想を受け継ぎながら、今の暮らしに合う住まいをかたちにするハウスメーカーです。
伝統的な縁側の魅力を活かしつつ、断熱性能や使い勝手まで考慮した設計により、「憧れの縁側」を快適な日常空間として実現します。
深い軒の設計や高性能な建具の選定、庭との視線の抜け方に至るまで、細部まで妥協のない仕上がりがノーブルホーム粋(SUI)の強みです。
茨城県で「日本家屋らしい縁側のある暮らしがしたい」「でも現代の快適さも譲れない」とお考えの方は、ノーブルホーム粋(SUI)にご相談ください。
理想の縁側を、住み心地の良さとともに実現いたします。
まとめ
今回は、日本家屋の縁側が持つ本来の役割や魅力、現代住宅で取り入れる際のポイントについて、施工事例を交えながら解説しました。
伝統の美意識を活かしつつ、断熱性や使い勝手まで総合的に整えることで、今の暮らしに寄り添う快適な縁側を実現できます。
今回の内容が、理想の住まいづくりに向けて「自分たちに合う縁側のある暮らしとは何か」を考える際の判断材料になれば幸いです。
