家を2回建てるのは年収1,000万円未満でも可能|現実的な資金計画と住宅ローンの組み方を解説

※本コラムは、広く一般的な情報提供を目的としており、弊社のサービスに限らず、多くの方にとって役立つ内容を意識して執筆しています。
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家を建てたものの、中には「もう一度建て直したい」と考える方もいらっしゃると思います。
しかし、2回目の家づくりとなると、「年収はいくら必要?」「ローンは組める?」といった不安もつきものです。
そこで今回は、茨城県で住み替え住宅やセカンドハウスを多数手がけてきた『ノーブルホーム粋(SUI)』が、家を2回建てる方の年収と割合、失敗しないための資金計画、住宅ローン審査のポイントなどを詳しく解説します。
2回目の家づくりを見据えている方は、ぜひ最後までごらんください。
目次
2回目の家づくりを実現している方の年収・割合とは

まずは、家を2回建てる方たちの年収や傾向を見てみましょう。
実は、2回目の家づくりを実現している方の多くが、想像よりも“現実的な年収層”に属していることがわかっています。
家を2回建てる方の平均年収は約1,200万円
国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査報告」によると、注文住宅を2回目として取得した世帯(いわゆる“二次取得者”)の全国平均年収は1,177万円でした。
このデータは「建て替え」ではなく、今の家を手放して別の場所に住み替えるケースが対象です。
一見するとハードルが高いように思えますが、以下のような事情も背景にあります。
- 調査対象の多くが都市部で住宅を取得している
- 1回目の家を売却し、ローンを完済してから購入している
つまり、1回目の住宅で得た売却益や、返済済みの資産を活用して購入しているケースが多いということです。
年収だけで判断せず、「資金の組み立て方次第で実現できる可能性がある」という視点も重要です。
年収800〜1,000万円前後でも、無理のない返済計画を立てれば、2回目の家づくりは十分に手が届く現実的な選択肢だと言えます。
〈参考〉国土交通省『令和6年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ』>令和6年度住宅市場動向調査報告書(PDF)45ページ
年収1,000万円未満でも「約7割」の方が2回目の家を実現している
さらに同調査では、2回目の注文住宅を取得した世帯のうち、年収1,000万円未満の世帯が約67%を占めていました。
この結果からも、「高収入じゃないと無理かも…」という不安は、先入観に基づいている可能性もあると言えます。
〈参考〉国土交通省『令和6年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ』>令和6年度住宅市場動向調査報告書(PDF)362ページ
家を2回建てるための資金目安|世帯年収・貯蓄額・支出バランス
住宅ローンの審査では、単純な年収だけでなく「返済負担率」が重視されます。
これは、年間返済額が年収の30〜35%以内に収まっているかどうかを示す指標であり、以下は無理のない返済負担率に収まるケースの一例です。
項目 | 目安となるライン |
---|---|
世帯年収 | 800〜1,000万円前後 |
住宅ローン返済額 | 年間300万円以内 |
貯蓄額 | 最低500万円以上 |
支出バランス | 教育費・老後資金・生活費に無理がない |
2回目の家づくりを成功させている方の多くは、これらの条件をふまえて無理のない範囲で計画を立てているのが特徴です。
また、1回目の家を売却した場合は、売却によって得た資金を頭金や諸費用に充てることで、よりゆとりのある資金計画を立てられます。
さらに、補助金を賢く活用することも有効です。
茨城県で利用できる補助金制度の詳細は、こちらの記事をご確認ください。
〈関連ページ〉【2025年】茨城県で住宅新築・リフォームする際の補助金一覧|国の減税制度や移住支援金も紹介
家を2回建てる理由|間取りの後悔・ライフスタイルの変化

家を1度建てたからこそ見える「もっとこうすればよかった」が、次の家づくりのヒントになります。
ここからは、「もう一度建て直したい」と感じた理由や2回目の家の建て時について詳しく見ていきましょう。
新築後すぐに「もう一度建て直したい」と思う方も
実は、「新築して数年しか経っていないのに、もう一度建て直したい」と感じる方は少なくありません。
その理由としては、主に以下のような声が挙げられます。
- 間取りへの後悔
- ライフスタイルや家族構成の変化
- 住宅の性能に不満がある
- 立地選びを誤った
中でも特に多いのが「間取り」に関する後悔です。
動線の悪さや収納不足、リビングの狭さなどが、日々のストレスにつながってしまうのです。
さらに、お子さまの成長や独立、ご両親との同居、在宅勤務といった変化によって、住まいに求める条件も大きく変わります。
その結果「今度こそ後悔のない家を建てたい」と思うのは、ごく自然な流れだと言えます。
2回目の家づくりは60代が最多|暮らしやすさを求めて郊外志向も
2回目の注文住宅を建てる方のうち、最も多い年齢層は60歳以上です。
1回目の家づくりから20~30年が経過し、子育てや仕事が一段落した60代以降に再び家を建てるケースが主流であることがわかります。
一方で、50代や40代でもライフスタイルの変化や資産形成を機に、新たな住まいを検討する方もいらっしゃいます。
その際、郊外エリアを選ぶ方も増加傾向です。
理由としては、土地価格の安さや静かな住環境、ご実家への近さなどが挙げられ、老後の安心やライフスタイルの変化に対応した「次の住まい」が求められていることがわかります。
ご高齢になったときにも快適に暮らせる家の間取りについては、こちらの記事をご確認ください。
〈関連ページ〉【高齢者が住みやすい家】2階建ての間取り実例|後悔しない工夫や平屋のケースも紹介
1回目と2回目の家づくりで違うこと

1回目に家を建てたときには気づけなかった課題が、2回目でははっきりと見えてきます。
だからこそ「同じ失敗は繰り返さない」ことが、人生2回目の家づくりで何より重要です。
1回目と2回目の家づくりでは「何を重視するか」が変わる
2回目の家づくりは、「何を重視するか」が1回目とは大きく異なる点が特徴です。
例えば、1回目はデザイン性や広さに目が向きやすい一方で、2回目は生活動線や将来の暮らしやすさを意識した“実用性重視”の傾向が強くなります。
具体的には、1階に寝室を設ける、収納を増やす、断熱性能を高めるなど、日々の快適さと老後の安心を両立させる工夫が多く見られます。
これは、1回目の家づくりで得た気づきや後悔があるからこそ生まれる視点です。
経験を活かせる2回目の家づくりだからこそ、満足度が高まりやすいと言えるのです。
後悔しない2回目の家づくり|建て替え・住み替えの判断基準
2回目の家づくりで多くの方が迷うのが、“建て替え”と“住み替え”どちらを選ぶかという点です。
結論としては、自分たちのライフスタイルや資産状況に合った方法を選ぶことが、後悔しない家づくりにつながります。
悩んだときは、以下のポイントを比較してみましょう。
比較項目 | 建て替え | 住み替え |
---|---|---|
費用 | 解体+新築費用がかかる | 売却益を新居資金に充てられる |
所有地 | 今の土地をそのまま活用できる | 新たに土地探しが必要な場合がある |
手間 | 仮住まいが必要になる | 引越しだけで済む |
税金 | 固定資産税の更新がある | 登録免許税や不動産取得税などが発生する |
このように、それぞれにメリット・デメリットがあります。
「この先何十年をどこで、誰と、どのように暮らしたいか」を軸に選ぶと後悔のない判断につながります。
家を2回建てるのに向いている方とは
以下に当てはまる方は、2回目の家づくりに向いている可能性があります。
- 将来のライフプランを明確に描けている
- 1回目の家に対する強い後悔や不満がある
- 2世帯住宅やご実家の近くへの住み替えを検討している
- 子育てや老後を見据えて住環境を見直したい
「本当に今の家で、この先ずっと暮らせるのか?」という問いが頭をよぎる場合は、2回目の家づくりを検討する価値は十分にあると言えます。
茨城県で「理想の家づくりをしたい」とお考えの方は、ノーブルホーム粋(SUI)へお問い合わせください。
将来のライフプランを丁寧にヒアリングし、後悔のない住まいづくりをトータルでサポートいたします。
2回目の住宅ローンはどうするべきか|審査と名義の注意点

2回目の住宅を建てる場合、1回目のときとは異なる注意点がいくつかあります。
特に住宅ローンの審査や名義、住み替えのタイミングについては、誤解や見落としが多い部分です。
ここからは、2回目の住宅ローンを組む際に押さえておくべきポイントについて解説します。
住宅ローンを2回組む際の条件とチェックポイント
2回目の住宅ローンを組むことは可能ですが、金融機関の審査基準をクリアする必要があります。
審査では「返済負担率(年間返済額が年収の30〜35%以内に収まっているか)」に加え、以下のような条件もチェックされます。
- 現在の年収と安定性(正社員・継続勤務年数など)
- 他の借入状況(車・教育ローン含む)
- 自己資金の有無(頭金や諸費用分)
- 担保評価(建物・土地の価値)
無理な借入をしようとしたり、1回目のローンを隠して申請したりすることはリスクが高いため、正直な申告と計画的な資金設計が重要です。
住宅ローンの利用を予定している方は、こちらの記事もご確認ください。
〈関連ページ〉「住宅ローンは頭金or繰り上げ返済どっちが得か」は金利・資金状況で判断|頭金なしの住宅ローンも解説
妻名義での2回目のローンは可能か
「夫が1回目を組んでいるから、2回目は妻名義で…」と考える方も少なくありません。
奥さまに安定した収入があれば、奥さまの単独名義で住宅ローンを組むことは可能ですが、注意すべき点もあります。
例えば、実際にはご夫婦で返済しているにもかかわらず、奥さまの単独名義でローンを組んだ場合、「贈与」とみなされて贈与税がかかるリスクがあります。
そのため、収入合算やペアローンなど、現状に合った形態を選ぶことが大切です。
また、名義を分ける場合は、ご夫婦で住宅ローン控除の条件が異なるケースもあるため注意が必要です。
住宅ローンを組む予定の方は、早めに専門家へ相談するようにしましょう。
〈参考〉国税庁『No.4411 共働きの夫婦が住宅を買ったとき』
ローンの二重契約はNG|バレるリスクと正しい対策
2回目のローン審査を通すために、1回目のローンを「黙っていればバレない」と考える方もいらっしゃいますが、金融機関には必ず知られます。
なぜなら、申請時に信用情報機関(CICやJICCなど)へ照会が入り、すべてのローン履歴が確認されるためです。
虚偽が発覚すれば審査落ちはもちろん、信用低下や契約解除の可能性もあります。
不安があっても正直に申告し、現実的な資金計画を立てるのが最善策です。
1回目の家を売却して2回目を建てる流れ

2回目の家を建てる際は、1回目に建てた家を売却して、ローンを完済後に新築するのが最も安全で現実的です。
基本的な流れは以下のとおりです。
- 不動産会社に売却を依頼
- 売買契約成立後、残債を完済
- 必要に応じて仮住まいに移行
- 新しい家の建築・ローン契約
この流れをスムーズに進めるには資金繰りやタイミング調整が重要なため、施工会社や不動産会社と連携し、計画的に進めましょう。
茨城県で2回目の家づくりを検討中の方は、ノーブルホーム粋(SUI)にご相談ください。
家の建て替えや住み替えに伴う資金計画、スケジュール調整まで丁寧に対応いたします。
2回目の建築で失敗しないためのポイント

2回目の家づくりは「過去の後悔を活かすチャンス」です。
同じ失敗を繰り返さないためにも、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
①資金計画を明確にする |
前回のローン残債や売却益、自己資金のバランスを見直し、全体の建築費を把握しましょう。 仮住まいや引越し費用も忘れず、資金計画に含めておくことが大切です。 |
②住環境を見直す |
現在の立地や周辺環境に満足しているか、ご家族の意見を整理しましょう。 通勤・通学・買い物の利便性、ご両親との同居や子育て環境も含めて再検討するタイミングです。 |
③間取りや仕様を見直す |
収納の少なさ、生活動線の悪さ、断熱性の不満など、これまでの気づきを整理しましょう。 将来を見据え、バリアフリー化も視野に入れて設計を考えると安心です。 |
④施工会社を再検討する |
以前と条件や希望が変わった場合は、施工会社の見直しもおすすめです。 信頼性はもちろん、設計の柔軟性やサポート体制も比較し、自分たちに合う会社を選びましょう。 |
⑤スケジュール管理を徹底する |
建て替えでは仮住まいや荷物整理など事前準備が必要です。 着工から引き渡しまでの流れを把握し、余裕あるスケジュールを立てて進めましょう。 |
一つひとつの選択にこれまでの経験を反映させることで、納得のいく理想の住まいが実現します。
まとめ
今回は、「家を2回建てるにはどれくらいの年収が必要か」をテーマに、年収別の予算感やローンの考え方、建て替えを見据えた資金計画の立て方などを解説しました。
2回目の家づくりの満足度は、現実的な資金計画によってもたらされます。
本記事が、将来も見据えた住まいづくりのヒントになれば幸いです。