比率について

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有名な建物や絵画などは、多くの場合私たちに、「心地よさ」や「安心感」、「美しさ」を感じさせるようになっています。
その要因は個々によって異なる部分もあるものの、いくつかの点では共通しています。
その一つが、「比率」です。人間が見て「安定感」や「美観」を感じるものにはある共通した「比率」があると言われています。
「黄金比」はその代表的な例ですが、「美しい比率」はそれだけではありません。

目次

比率の種類

1.黄金比(第1貴金属比) 1:1.618
2.白銀比(大和比) 1:1.414
白銀比(第2貴金属比) 1:2.414
3.青銅比(第3貴金属比) 1:3.303
4.白金比 1:1.732
5.第2黄金比 1:2.618
第1、第2、第3金属比は次の公式であらわされます。

nに1,2,3を入れる。

黄金比

「人間にとってもっとも美しく安定して見える比率」のことです。
古代ギリシアで制作された女性像「ミロのヴィーナス」は黄金比を持つデザインの例として、よく挙げられるもののひとつです。
美の代名詞として語られるのは、プロポーションに黄金比が隠されているためとされています。

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「モナ・リザ」もまた、黄金比を持つもの代表例としてよく挙げられます。(顔の横と縦の比率が1:1.61になっている。)
代表的な建築物としては、サグラダファミリア、パルテノン神殿、ピラミッド等があります。
その他有名なものとして、アップルのロゴマークがあります。

白銀比

白銀比と呼ばれるものには2種類あります。そのひとつが「第2貴金属比」もうひとつが「大和比」と呼ばれるものです。


「第2貴金属比」の代表例です。
正八角形の中に隠れています。
時計や鏡などのデザインに使われています。

「大和比」と呼ばれるもので、和風のデザインによくみられるものです。
日本人にとっては黄金比以上に馴染み深い比率になっています。

正方形の1辺と対角線の比率です。

代表例としては、法隆寺金堂、五重塔があります。


Photo by (c)Tomo.Yun

また最近の建築物ではスカイツリーがあります。

その他代表的な例
紙のサイズ、A版、B版ともに縦横の比率は大和比になっています。
アニメや漫画などのキャラクター(ドラえもん、キティちゃん、ミッキーマウス等)顔の横、縦 顔と体の比率があてはまります。

青銅比

かなり横長の比率になるので、あまり使用されていないが窓のデザインとして使用されている例があります。

各比率に基づく長方形は下記のようになります。
どの比率を最も心地よいと感じるかは、個人によっても、また使用用途によっても異なってくるものと思われます。
今後図形等のデザインを考える際や、建築物や絵画等の芸術作品を鑑賞する際には、こうした典型的な比率を念頭に置いて、考えてみるのも大変有用で興味深いのではないでしょうか。

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