畳について

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目次

01.歴史

古代の畳は、莚(むしろ)・茣蓙(ござ)・菰(こも)などの薄い敷物の総称であり、使用しない時は畳んで部屋の隅に置いたことから、「タタム」が「タタミ」になったのが語源とされます。
現代の畳に近づくのは、平安時代に入ってからであり、板床に敷くクッションのような感覚で使われていました。
室町時代に入ると、書院造の登場により部屋全体に畳を敷く様式があらわれ、移動させることがなくなった畳はより分厚く重くなり、茶道の拡大に伴い普及していきました。 
 

02.寸法

日本家屋では畳の枚数で部屋の大きさが示されるように、畳の寸法が重要で、基本寸法(モデュール)となっています。
この畳の寸法にはいろいろなものがあり、差が生じる原因は2つあります。
ひとつは、基準となる1間の寸法が異なることです。
太閤検知の時は1間は6尺3寸でしたが、江戸時代になり6尺が中心になりました。
年貢米を明確にする為の寸法が1間でしたが江戸時代に単位を短くし増税した。
もうひとつは、畳を基準とする(畳割り)か、それとも柱を基準とする(柱割り)かであります。
当初は(畳割り)でしたが、江戸時代になると(柱割り)が主体となりました。
畳割り・・・どの部屋も畳の寸法は同じ
柱割り・・・部屋の大きさは柱・敷居の寸法により微妙に異なる
 
 
〇昔間(しゃくま)、本間(ほんま)
1間が京間より若干大きい3尺2寸5分×6尺5寸(985×1970)
南河内地方旧家の畳サイズ
 
 
〇京間(きょうま)、本間(ほんま)、関西間(かんさいま)
3尺1寸5分×6尺3寸(955×1910)
近畿・中国・四国・九州と西日本の大部分で使用されています。
 
 
〇中京間(ちゅうきょうま)、三六間(さぶろくま)
3尺×6尺(910×1820)
愛知・岐阜県の中京地方や福島・山形・岩手県の東北地方の一部、及び沖縄、奄美大島で使用されている
 
 
〇江戸間(えどま)、関東間(かんとうま)、田舎間(いなかま)、五八間(ごはちま)
1間が6尺の柱割りで八畳間の場合2尺9寸×5尺8寸(880×1760)
関東、東北地方の一部、北海道と三重県伊勢地方で使用されている。
 
 
〇団地間(だんちま)、公団サイズ
いろいろなサイズがあるが、2尺8寸×5尺6寸(850×1700)のサイズが中心です。
その他メートル間とかいろいろあります。
 
 

03.敷き方

一般の住宅に畳を敷く場合、「畳の合わせ目が十字にならないようにする」というルールがあります。その為には、それぞれの畳の四隅が一ヶ所に集まらないよう、配置を工夫する必要があります。
このルールにそった敷き方を「祝儀敷き(しゅうぎじき)」、
反する敷き方を「不祝儀敷き(ぶしゅうぎじき)」と呼びます。
  

〇祝儀敷き(しゅうぎじき)


 
 
〇不祝儀敷き(ぶしゅうぎじき)

 

 
 

半畳の畳が北東(鬼門)にあり駄目とされています。
 
 

半畳の畳を中央に敷く場合、左回り(卍型)に配置する敷き方は
「切腹の間」とよばれます。武士が切腹する際に用いられた敷き方です。現在では縁起の悪い敷き方です。

 
 

右回りに配置すると「茶室」の敷き方になります。
 
 

床の間がある部屋では、必ず床の間と平行に畳を敷きます。
床の間に畳の縁が直角に入る形は「床刺し」とよばれます。
この場合、上座である床の間の前に縁がある状態となり、お客様が縁に座ることになり、床刺しは避けるのが礼儀とされています。
畳のへりに付けられている補強用の布のことを「畳縁(たたみべり)」とよびます。和室のマナーとして(畳縁は踏まないように)といわれます。 
 
畳のへりを踏むことが無作法と言われる理由は、諸説ありますが主な4つの理由は
1.上下関係を分ける「境目」とされていた。
和室の奥側が上座、入口側が下座です。畳のへりが区別する境界として扱われる為、それを踏むのは格式や序列に反した行為とみなされます。 
 
2.家紋をあしらった文縁(もんべり)を踏むことになる
畳のへりは身分や格式により使用できるものが決められていた踏む事は相手への侮辱とみなされた。
  
3.畳を傷める要因となるから
昔の畳縁は植物染のものがほとんどで、色落ちしやすく耐久性が低くかったので、踏まないようにした。
  
4.暗殺者の攻撃から身を守る
昔は畳と畳の隙間から刃物や槍を差し込まれ、暗殺されてしまうことがありました。武家社会を生き抜く為の作法となっていった。
 
 
茶室はなぜ「京間(京都の畳のサイズ)」にこだわるのか
茶道では「畳の目」の数によって道具やお茶碗の置く位置が決まります。しかしその畳のサイズは関東(江戸間)と京都(京間)で異なっています。
茶道は京都発祥ということもあり、京都の畳のサイズ(京間)によって道具やお茶碗を置く位置を決めてるので、関東の畳のサイズ(江戸間)で茶道を行ってしまうと、正確な位置に道具やお茶碗を置くことができないのです。
したがって、茶道の作法に従うためには京間(京都の畳のサイズ)の茶室にするということが重要になるのです。

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