シンプルモダンな坪庭は「設計」で決まる|整って見える3つのルールと洋風モダンに寄せる窓・照明のコツ
※本コラムは、広く一般的な情報提供を目的としており、弊社のサービスに限らず、多くの方にとって役立つ内容を意識して執筆しています。
詳細なご相談や専門的なアドバイスが必要な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
住まいにシンプルモダンな坪庭を取り入れると、室内に奥行きと開放感が生まれます。
しかし、要素を削ぎ落としたデザインだからこそ、単に庭をつくるだけではその効果を最大限に引き出すことはできません。
明確なルールに基づいて設計することで、誰が見ても整って見える坪庭へと近づきます。
そこで今回は、茨城県でデザイン性・意匠性の高い注文住宅を多く手がける『ノーブルホーム粋(SUI)』が、シンプルモダンな坪庭を成功させるための設計ルールから、洋風モダンに仕上げるレイアウトのコツ、後悔しないための注意点まで、施工事例とともに詳しく解説します。
和風モダンとは一味違う、おしゃれな「シンプルモダンな坪庭」を実現したい方は、ぜひ最後までごらんください。
目次
坪庭におけるシンプルモダンと和風モダンの違い

坪庭は建物に囲まれた小さな庭であり、室内から眺めたときに奥行きを生み出してくれる、大切な“空間設計の一部”です。
窓の向こうへ視線がふっと抜けるだけで、いつもの部屋に心地よい開放感が生まれます。
庭としてつくるのではなく、室内の一部を外へ広げるような感覚で考えることが、成功の秘訣です。
一般的に坪庭といえば「和」を連想しがちですが、シンプルモダンな坪庭は和風モダンとは根本的に異なるアプローチで設計されます。
- 和風モダンな坪庭:石・苔・灯籠など和の要素を活かし、情緒や風情を表現する
- シンプルモダンな坪庭:素材や色を絞り、直線的な構成で静かで洗練された印象に
坪庭が和風に寄りやすいのは、石や植栽といった自然素材が多く使われるためです。
しかし、配置や素材の数を調整すれば、現代的な住まいにも自然になじみます。
装飾をそぎ落とし、整えられたラインを意識することが、モダンな印象を確立するための重要な鍵になります。
シンプルモダンな坪庭が“整って見える”3つの設計ルール

せっかくの坪庭が落ち着かない印象になるのは、素材や植物の要素が多くなり、視線の置き場が定まっていないことが一因と考えられます。
シンプルモダンな坪庭が美しく見えるのは、感覚ではなく明確なルールに基づいて設計されているためといえます。
①色は3色以内|無機質+自然素材の比率で決まる
坪庭全体で使う色を3色以内に絞ることで、視覚的なノイズが消えます。
シンプルモダン寄りに整える場合、以下のような組み合わせや比率を基本にしましょう。
- コンクリートやタイルなどの無機質な「グレー」:50〜60%
- 砂利や石の「ベージュ、白」:30〜40%
- 植栽の「グリーン」:10〜20%
グリーンの面積を増やしすぎると和風の印象が強くなり、反対に無機質素材が多いほど都会的でシャープな雰囲気に近づきます。
色の割合を調整することが、モダンさの度合いをコントロールするポイントです。
②素材は最大3種類|石・砂利・植栽の主役を1つに絞る
石、砂利、植栽それぞれを使う場合でも、必ず主役を1つ決めましょう。
例えば、大判の敷石を主役にするなら、砂利と植栽は控えめに配置します。
素材が対等に存在すると、視線が分散して落ち着かない空間になってしまいます。
③ラインは直線基調|見切り・境界線をそろえる
モダンデザインの印象を支えるのは、整然とした「直線」の構成です。
自然素材は本来「曲線」や「不定形」なものですが、それらを収める枠(見切り=タイル目地や縁など、素材の切り替わり部分)を直線でそろえることで、空間に心地よい緊張感と秩序が生まれます。
和の庭づくりについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
〈関連ページ〉モダンでおしゃれな日本庭園・和風の庭を自宅に作る方法|実例、レイアウトのポイントを解説
坪庭は“室内からの見え方”で設計する|視線設計の考え方

坪庭の印象は、庭そのものの仕上がりよりも、室内からどう見えるかで決まります。
ここからは、室内からの視線を基準にした具体的な設計ポイントを順に解説していきます。
ソファからの視線の高さで構図を決める
リビングのソファに座ったとき、目線の高さは床から約100〜110cmになります。
この高さから見える範囲が、坪庭の構図として重要なフレームです。
植栽の配置や石の見せ方は、立って眺める高さではなく、座った状態での見え方を基準に決めましょう。
日常の暮らしの中で最も長く眺める視点こそが、設計の起点となります。
窓の設計で視界をコントロールする
同じ広さの坪庭でも、窓の設計次第で印象は大きく変わるものです。
たとえば、以下のように窓の「切り取り方」ひとつで、室内からの見え方や空間の役割に明らかな違いが生まれます。
- 大開口の窓:坪庭を室内の延長として感じさせ、空間を広く見せる
- 縦長のスリット窓:坪庭を「額縁に入った絵」のように切り取り、視線を集中させる効果がある
夜は照明で空間の奥行きを演出する
夜間は、室内の照度を落としつつ、坪庭の壁面やシンボルツリーをスポットライトで照らすと効果的です。
暗闇の中に浮かび上がる光の層が、夜にしか味わえない幻想的な奥行きを演出します。
玄関横に坪庭をつくる場合の注意点
玄関の坪庭は見せ場になりやすい場所ですが、要素を増やしすぎるとシンプルモダンな印象からは遠くなってしまいます。
主張を抑えた構成にし、住まい全体との調和を取るのがおすすめです。
玄関の具体的なレイアウト事例は、関連する施工事例ページも参考にすると理解が深まります。
坪庭のある玄関については、こちらの記事をご確認ください。
〈関連ページ〉小さな坪庭のある玄関事例|失敗しない坪庭づくりのポイント、和風・洋風のレイアウトの違いも解説
茨城県で室内とのつながりまで考えた坪庭設計をご検討中の方は、ノーブルホーム粋(SUI)にお問い合わせください。
敷地条件や間取りに合わせて、空間の広がりを引き出す視線設計をご提案いたします。
シンプルモダンな坪庭の施工事例|洋風モダン寄せの作り方

シンプルモダンな坪庭は、和の雰囲気を強めすぎず洋風モダン寄りに整えることで、現代の住宅との統一感が生まれます。
ここからは、実際のノーブルホーム粋(SUI)が手がけた坪庭の事例を見ながら、どのようにモダンな印象へ整えているのかを解説していきます。
異素材のコントラストで魅せる現代的な坪庭
こちらの事例では、グレーのタイルデッキと白玉砂利を直線的なラインで仕切ることで、シャープな印象を際立たせています。
白玉砂利という和素材を使いながらも、装飾を増やさない構成にすることで、洋風モダンの印象に整えられています。

〈関連ページ〉伝統と現代が出会う、丸窓のある住まい
夜の静寂をデザインする坪庭
こちらは、室内からの見え方を最優先に設計し、夜間のライトアップによって空間の奥行きを演出した事例です。
格子を背景に配置し、シンボルツリーを1本だけ配置する構成は、まさに「主役を1つに絞る」設計ルールの実践といえます。

〈関連ページ〉坪庭を眺める和モダンの家
ダイニングとの一体感を楽しむ、無駄をそぎ落とした坪庭
こちらは、ダイニングから眺める坪庭の事例です。
最小限の構成でありながら、格子や床、窓の黒いサッシで直線的に区切ることで、モダンな室内との統一感を生み出しています。

〈関連ページ〉和の家
直線的な石材が描く「和と洋の境界」
こちらは、石材を直線的に配置し、整然とした印象にまとめられた事例です。
植栽を主役にせず構成の一部として扱うことで、空間に余白が生まれ、モダンな住まいとも自然になじみます。

〈関連ページ〉趣味を楽しむコの字の和モダン住宅
照明で幻想的な奥行きをつくるモダンな坪庭
こちらは、影が主役ともいえる坪庭の事例です。
光の当て方や影の落ち方が計算されており、昼間とは異なる立体的な奥行きが生まれています。
植栽や素材を抑えた構成によって、静かで上質なモダン空間に整えられています。

〈関連ページ〉環を描く和の家
ノーブルホーム粋(SUI)には、日本庭園の様式の1つである「枯山水」を取り入れた坪庭の事例もあります。
モダンな家に合う枯山水のつくり方については、こちらの記事をご確認ください。
〈関連ページ〉「モダンな住宅×枯山水の坪庭」のおしゃれな事例|枯山水のつくり方、坪庭のメリット・デメリットなど解説
ノーブルホーム粋(SUI)には、今回紹介しきれなかった事例がまだたくさんあります。ぜひごらんください。
理想のシンプルモダンを叶える、後悔しない坪庭計画のポイント

坪庭づくりで後悔しないためには、設計段階での細かな見落としをなくすことが不可欠です。
見た目の美しさだけで計画を進めると、いざ住み始めてから「室内が暗い」「掃除がしにくい」といった思わぬストレスを抱えることになりかねません。
あらかじめ原因を理解し、坪庭を長く快適に楽しむための工夫を取り入れましょう。
明るさを左右するのは窓のバランス
「坪庭をつくったら部屋が暗くなった」という後悔の声は、窓の配置や大きさがうまく噛み合っていないケースで多く見受けられます。
坪庭に面した窓が小さすぎたり、位置が低すぎたりすると、光が室内に届きません。
坪庭は光を取り込む役割もあるため、設計段階で窓の面積と高さを十分に確保することが重要です。
無理のない美しさは、適切な植栽選びから
落ち葉が多い樹種や成長が早い植物を選んでしまうと、狭い空間ゆえに掃除や剪定の負担が増えてしまいます。
シンプルモダンな坪庭を美しく保つには、環境に適した「手入れを最小化する樹種選び」が欠かせません。
手入れを最小限に抑えるための植物選びのポイントは、次章で紹介します。
清潔なたたずまいを保つなら、まずは「水はけ」の計画を
雨が降るたびに坪庭に水がたまったり、苔が生えたりする場合は、排水計画が不十分な可能性があります。
坪庭の床面にはごくわずかな傾斜をつくり、排水口へとスムーズに水が流れるような工夫が求められます。
特にタイル仕上げの場合、石や砂利と違って水が地面に染み込まないため、表面に水がたまりやすいのが特徴です。
そのため、見た目ではわからない程度のわずかな勾配を確保しておくのがおすすめです。
坪庭の手作り(DIY)は装飾しすぎに注意
砂利敷きや鉢植えの配置はDIYでも対応しやすい部分です。
ただし、DIYで装飾を足しすぎると、シンプルモダンなデザインが崩れやすい点には注意が必要です。
また、下地づくりや排水、照明工事は専門知識が必要になるため慎重に検討しましょう。
坪庭に合う植物と“手入れを減らす”考え方

シンプルモダンな坪庭を美しく保つためには、植物との付き合い方を工夫しなければなりません。
「手入れゼロ」の庭をつくることは難しいですが、設計の段階で手間を「最小化」することは十分に可能です。
手入れを楽にするための植物選びでは、以下の3つのポイントを基準にしてください。
- 落葉量:ソヨゴのように落葉量が比較的少ない常緑樹を中心に選べば、掃除の負担を抑えやすい
- 耐陰性:光が制限される場所でも元気に育つ、日陰に強い種類を厳選する
- 成長スピード:アオダモやシロモジなど、成長が緩やかな樹種が理想的
メンテナンスを減らす最大のコツは、多くの種類を植えすぎないことです。
お気に入りの1本を「一点豪華」に配置するほうが、シンプルモダン特有の余白の美が際立ち、管理の負担も最小限に抑えられます。
坪庭の完成度を高める、窓の設計と照明のバランス

シンプルモダンな坪庭においては、庭単体の装飾を凝らすことよりも、室内と外をつなぐ「景色の設計」に目を向けることが大切です。
窓の設計がつくる“開放感”と、照明が生み出す“立体感”のバランスによって、空間全体の印象は大きく変わります。
石や植栽の種類をただ増やすことが、必ずしも洗練された空間につながるとは限りません。
室内からの見え方を丁寧に整えることが、完成度を高める近道になります。
茨城県で「景色の設計」を重視したシンプルモダンな坪庭を求めている方は、ノーブルホーム粋(SUI)へお問い合わせください。
意匠性の高い設計力を活かし、お客様の敷地条件やライフスタイルに寄り添った、「整った景色」をご提案いたします。
まとめ
今回は、シンプルモダンの住まいに合う坪庭を整えるための考え方や、洋風モダン寄りに仕上げる設計のポイント、後悔しやすい注意点とその対策について、事例を交えながら解説しました。
すっきりとした印象と心地よい空間は、室内からの見え方や光の取り込み方まで含めた全体のバランスを意識して整えることで生まれます。
本記事の内容が、住まい全体と調和するシンプルモダンな坪庭づくりを考えるきっかけになれば幸いです。
