集成材について

集成材とは、断面寸法の小さい木材(板材、Laminar、ラミナ)を接着剤で再構成して作られる木質材料です。
構造用と造作用に分類され、強度や耐水性について厳格な規格、検査基準のもとで品質管理される構造用のものと、家具や内装などに使う造作用(強度に関する規格はない)に分類されます。

 

集成材の長所

1. 製材品よりも大きな断面と長さの製品を自由に作れる。
2. 製造段階で大きな節や割れ等の木材の欠点が除去又は分散される。
3. ラミナの段階で乾燥させるため、充分な乾燥ができ割れや狂い等の発生が少ない。
4. 湾曲材など形状の自由度が高い。

 

集成材の短所

1. 製造工程の自動化に限界があり、また接着に時間がかかるため生産性が落ちる。
2. 接着剤を使用する為耐久性に不安がある。
(接着剤は湿気に弱く、老朽化により剥離する可能性もあります。)
(接着剤には「ホルムアルデヒド」が含まれています。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群を引き起こす原因物質と言われています。)

 

LVL木材

Laminated Veneer Lumber(ラミネイティッド・ベニヤ・ランバー)の略で単板積層材と呼ばれます。
丸太を単板(2~4mmの薄板)にして単板の繊維方向に平行に積層接着したものです。大きさが自由に作れ製造工程の自動化により生産性が高いのがメリット、加工性が低いのがデメリットで柱や梁など細長い部材として用いられことが多いです。

 

NLT木材

Nail Laminated Timber(ネイル・ラミネイティッド・ティンバー)の略で釘接合集成板のことです。
ひき板をアルミ製の釘でつなぎ合わせるので接着剤は使用しません。そのため接合力が高く強固で、設備投資が抑えられるのがメリットです。
アーチなど自由な形状を表現しやすく、床や屋根、壁といった耐力面材として用いるのが向いています。

 

DLT木材

Dowel Laminated Timber(ダウエル・ラミネイティッド・ティンバー)の略で積層材ですが接着剤も釘も使用せず木ダボで接合されているのが特徴です。
単純な工程で生産でき環境負荷も抑えられます。
断面形状や配列方法を変えることでデザイン性を高めたり吸音性をもたせることが可能です。

 

CLT木材

Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)の略でひき板を繊維方向が直交するように積層接着したパネルなので直交集成板とも言われます。
日本ではまだ製造メーカーが限られるためコストが高めですが、国が導入を推進しており建築デザインの自由度が高く、効率的な施工ができるので工期が短縮可能。
壁や柱など用途が広いのもメリットです。

Mass timber(マス ティンバー)とは、複数の木材を組み合わせて圧縮強度と張力強度を向上させた集成材を指す。 (LVL木材、NLT木材、DLT木材、CLT木材も含む)
この集成材が、最大で14階建てまでの完全木構造に使用されるようになってきました。
10階建てと12階建ての木造建築に挑戦するデザインコンペもあります。
現在の国の耐震基準のもとで主な構造物が木材だけの「純木造」のビルとしては横浜市中区に完成した11階建て高さ44メートルのビルになります。
建築を手がけたのは、大手ゼネコン大林組になります。
11階建て高さ44メートルのビルになります。
木造のビルは建築に使うコンクリートや鉄が大幅に減るため、二酸化炭素の削減につながる効果も期待されていて、脱炭素への取り組みが求められるなか、耐震性や耐火性などを高める技術が向上したことなどを背景に、これから益々注目を集めていくと思います。